ブログを運営している方は、規模を大きくするために、自分で書くだけではなく、「外注する」ということも選択肢に挙がってくるかと思います。
自分1人では時間的にも知識的にも足りない記事でも、知識がある方に依頼し外注することによって、自分のブログを充実させることができます。
筆者のブログ「biz-felice(本サイト)」および「hals-felice(姉妹サイト)」にある記事の一部は外注しており、今まで100記事以上をクラウドワークスなどのクラウドソーシング経由で発注しています。
今回は、100記事以上をのブログ記事をライターさんに依頼することで分かった、ブログ記事外注の注意点やコツを紹介したいと思います。
本記事の最後に、依頼文テンプレートも用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ブログ記事外注のメリット・デメリット
ブログ記事外注のメリット:
- ブログ記事投稿のスピードが大幅に上がる
- さまざまな商品の体験談が手に入る
- マネジメント力が身に付く
ブログ記事を外注することの一番のメリットは、「ブログ記事投稿のスピードが大幅に上がる」ことです。
ブログ記事を外注せずに、すべて自分1人で書いたとすると、専業ブロガーでもない限りは、多くても1日1~2記事が限度です。しかも、「記事のネタが思いつかない」「ほかにやりたいことがある」「ブログを書くのが飽きた」などの状態に陥ると、月間10記事投稿できればいいほう…ということにもなりかねません。
ブログ記事作成を外注することにより、記事投稿の速度を大幅に向上し、また継続的に記事を投稿することにより、短期間でサイトを強くすることが可能になります。
1月あたり10記事投稿×10人のライターさんで、月間100記事投稿することもできます!
また、外注ライターさんの数だけ、体験談が手に入るのも魅力です。例えば、「話題の英会話アプリ」を自分自身では使ったことがなくとも、実際に使ったことがある方に外注することにより、「体験/感想記事」を公開することができます。
さらに、「マネジメント力が身に付く」という効果も得られ、本業の仕事でも役に立ちます。ライターさんにブログ記事執筆を依頼する際は、記事構成や文章の書き方を事細かに説明する必要があります。「自分の頭の中を他人に分かりやすく伝える」スキルが身に付きます。
一方、ブログ記事外注にはデメリットもあります。
ブログ記事外注のデメリット:
- 費用がかかる
- コピペ記事が納品される可能性がある
- 依頼時にこちらの意図を正確に伝える必要がある
ブログ記事は、初心者や主婦のライターであっても、それなりに費用はかかります。1記事あたり1,000円、安くとも500円くらいを想定しておくとよいですが、この場合は100記事で5~10万円かかってしまいます。決して安い金額ではありません。
依頼時の相場は0.5円~と言われています。2,000字の記事で1,000円ですね。
世の中には「文字単価0.1で外注する方法」を公開しているブログも存在しますが、
クオリティと定着性(ライターさんが長く作業してくれるかどうか)は期待しないほうがいいですね。
「ソーシャルゲームに課金する」という感覚で行えば気にならないかもしれません。
10万円であればさすがに高いですが、月5万円であれば課金している方も少なくないですね。
ゲームと同様、「課金してチームの強化速度を上げる」と考えれば、月5万円で50記事外注も決して高くはないかもしれません。
また、外注記事は「コピペがないかどうか」をしっかりチェックする必要があります。
ライターさんはさまざまなクライアントからブログ記事外注を請け負っていますが、その中には同じような依頼内容もあります。同じ依頼を受けた場合には、似たような文章になったり、最悪の場合は完全にコピペということもありえます。
しっかりしたライターさんなら問題ありませんが、低品質なライターさんも存在しますので、コピペチェックはしっかり行う必要があります。
記事・文章コピペチェックツール「コピペリン」
さらに、「自分自身は当然行っていることも、ライターさんにしっかり伝える」必要があります。例えば、以下のようなものがあります。
- 常体(だ、である)/敬体(ですます)
- 「。」○つごとに改行する
- 数字は3桁ごとにカンマ区切り
- 英数字は半角で書く
かなり細かいレベルのものもありますが、納品後の修正を少なくするためには必要になります。
ブログ記事を外注するときの注意点
今まで100記事以上のブログ記事外注を経験して感じた、外注時の注意点は以下の通りです。
ブログ記事外注の際の注意点:
- 高単価のプロに依頼する必要はない
- ライターさんの気持ちを考える
- 専門性が不要な記事を依頼する
高単価のプロに依頼する必要はない
ランサーズやクラウドワークスでは、1文字2円以上の高単価(1記事2,000字程度で5,000円程度)で請け負っているプロのライターや、それ以上の単価でライティングを専門に扱っている業者が存在します。
さすがプロなだけあってSEOが徹底されているとのことで、品質はいいのかもしれませんが、個人ブログではおすすめできません。理由は2つあります。
1つ目は、料金がいくらなんでも割りに合わなさすぎることです。いくらSEOが徹底されているからといっても、弱小の個人ブログではその効果が分かりづらいです。
2つ目は、費用を抑えようとすると内容が濃くならないことです。2,000字程度では、SEOが徹底されているとしても、濃い内容にはなりません。
プロのライターは、ライティングのプロではあっても、執筆対象の専門家ではないので、どうしても当たり障りのない内容になってしまいます。個人ブログがほかのWebサイトと差別化を図るならば体験談が一番ですが、体験談ならばプロに依頼する必要はありません。
ライターさんの気持ちを考える
筆者自身も、クラウドワークスをクライアント側ではなくライター側として利用したことがあるので、そのときの体験談も交えて説明したいと思います。
Webライティングに限った話ではないですが、仕事をするときには、このような思考であることがほとんどかと思います。
- 面倒なことはしたくない
- お金はしっかりもらいたい
仕事をするときは、面倒なことはしたくない
「面倒なことをしたくない」とは、例えばこのようなことです。
- 募集文が長くて複雑だと応募する気が起きない
- 執筆内容が明確でないと、筆が進まない
- あまりにも指摘内容が細かいと、やる気がなくなる
ライターさんは、募集内容を流し読みして、瞬時に「自分でもできそう」「難しそう」と判断します。そのときに、募集要項があまりにも複雑だったら、「難しそう」というイメージが先行してしまうため、応募が少なくなってしまう可能性があります。
また、実際に依頼するときは、執筆内容を明確にする必要があります。例えば、以下の2つを比較してみてください。
「PCの比較記事を書いてください」
「WinPCの、価格/性能/重さの比較記事を書いてください」
後者のほうが、何を書けばいいか分かりやすいですね。執筆内容の範囲が広くて曖昧だと、何を書けばいいのか困ってしまいます。それを防ぐためには、記事のテーマや各記事の構成など、できるだけ明確に示す必要があります。
「執筆内容を明確にする」と「募集要項を長くて複雑にする」は異なります!
指摘内容については、できるだけシンプルにまとめたほうが、ライターさんのやる気も長続きします。
- 「この文章の意味が分からないので補足してほしい」
- 「この見出しの文章が少ないので、○○という観点で追記してほしい」
- 「誤字、脱字が多いのでもう一度見直してほしい」
これくらいシンプルでまとめたほうが、ライターさんにとっても修正内容が明確で作業がしやすいです。単語選びや改行などの細かい部分については、自分自身で修正して、「次からのお願い」にとどめておいたほうがいいでしょう。
改行ルールや単語選びなどの細かいルールは、マニュアルにしておきましょう。
トラブルを避けるために、対価はしっかり払う
次に、ライターさんへの支払いについてです。
世の中には、「できるだけ安く外注する方法」として、0.1~0.2円の低単価で発注したり、場合によってはこのようなものもあります。
- テストライティング(支払いが発生しない)で不合格としたが、記事はしっかり利用する
- 20記事まとめて発注し、19記事目でストップした場合、1円も支払わない
このような依頼の仕方が堂々と「安く外注する方法」として紹介されていますが、トラブルの原因になるどころか、そもそもクラウドソーシングサイトの利用規約違反です。
- 「ライターの育成も兼ねているので、2,000字100円で発注する。その代わりフィードバックはしっかり行う」
こんなものはやりがい搾取です。「試用期間中は給与が発生しない」とはブラック企業そのものではないですか。
そもそもフィードバックを行うのはライターさんのためでもありますが、「納品記事のクオリティを上げるために行う」、自分自身のためでもあります。記事のフィードバックやライターの育成はやって当たり前です。
トラブルを避けて、ライターさんに長く続けてもらうためには、以下の3つが必要です。
- テストライティングでも、通常の記事と同じように支払う
- 納品物は、1記事ずつ払う(1記事ずつマイルストーン払い)
- できれば1文字0.5円は払う
専門性が不要な記事を依頼する 体験談が鉄板
ブログ記事を外注する際は、専門性が不要な記事にしたほうがいいでしょう。
理由は、「専門性が必要になると、ほかのサイトと似たり寄ったりな記事になるから」です。
分からない箇所があると、ライターさんは検索しながら書くことになると思います。ですが検索するサイトは、おそらくあなたのライバルになるであろう記事です。
すでに上位で表示されている記事と同じような文章が書かれたとしても、それで上位表示表示は見込めません。
外注記事は、「体験談」がいいでしょう。体験談であれば、ライターさんがすでに経験済で、かつほかのサイトにはないものなので、独自性が高まります。
ブログ記事外注の依頼時のコツ・テンプレート
ブログ記事の外注は、最初のうちは依頼したい内容を正しくライターさんに伝えるのが大変ですが、慣れてしまえば簡単です。
少しでも簡単に外注できるようにするために、3つのコツを用意しました。
- 2種類の依頼テンプレートを使う
- 応募要項を作成して、足切りする
- 口コミや感想を集めるときは、「タスク形式」も利用する
2種類の依頼テンプレートを使う
依頼時のテンプレートは2種類用意します。「募集時」と「契約後の作業依頼時」に使用します。
募集時の文章
以下の文章は、私が実際に使ったものです。
オンライン英会話学習サービスを紹介していただけるライターさんを募集いたします。
→見出し文【概要】
ビジネススキル/勉強法を紹介するWebサイトに、
オンライン英会話学習サービスを利用した感想や口コミを紹介する記事を掲載します。
例:スタディサプリ、DMM英会話・想定読者:
20~30代で、主に仕事で英会話を使う可能性がある方・1記事当たり文字数:
2,000字以上※ご応募いただく際は英語力はMustではありませんが、
ある程度「英会話」および「英会話学習」について理解されている方のほうが、作業はしやすいかと思います。
→どのようなサイトに、どのような文章を公開するのかを簡単に説明
【報酬】
1記事あたり1,000円程度
→記事数は5記事としておりますが、今後増える場合もあります。
→報酬を簡単に説明。継続の可能性があるなら、その旨も説明【納期・納品方法】
・契約から1~2週間程度
(完成したものから順にお送りください。確認が完了次第順次お支払いいたします)
・Wordまたはtxtファイル、および画像ファイル(jpg形式)で納品
→納期と納品方法を記載。納品方法はファイル形式も記載する。【作業の流れ】
こちらが記事のテーマを選定しますので、それに合った記事の作成をお願いいたします。作業いただく際に、以下のものをお渡しいたします。
・テーマおよび記事構成、見出し
・記事サンプル(ない場合もあります…)キーワード、テーマおよび各記事の構成は事前に設定いたしますので、
それに沿って文章作成をお願いいたします。→作業の流れを簡単に記載する。ここでは、詳しい内容は書かない。
【応募要項】
お手数ですが、ご応募の際に以下質問へのご回答をお願いいたします。
・年代(30代前半、など)
・1週間あたり何時間作業可能か
・英語に関する資格(TOEIC○○点、英検○級、など)
・英会話力を以下の中から選択してください。
-1.会話はできない
-2.挨拶、道案内レベル
-3.日常会話レベル
-4.ビジネス初級レベル(社内のメンバーやオフショアと会話ができる)
-5.ビジネス上級レベル(社外の顧客や取引先と商談ができる)
-6.ネイティブレベル
・英語以外で得意なライティングのジャンル(旅行、ファッションなど)
→今後相談させていただくかもしれません。→応募要項で、「どのような人か」や「今までのライティング実績」を確認する。
応募者の「足切り」にも利用する。
募集文テンプレート(そのままパクってOKです!赤文字の部分を修正してください):
○○のライターさんを募集いたします。
【概要】
○○のWebサイトに、○○を紹介する記事を掲載します。
・想定読者:
20~30代女性
・1記事当たり文字数:
2,000字以上
【報酬】
1記事あたり1,000円程度 × 5記事(継続あり)
【納期・納品方法】
・契約から1~2週間程度
(完成したものから順にお送りください。確認が完了次第順次お支払いいたします)
・Wordまたはtxtファイルで納品
【作業の流れ】
こちらが記事のテーマを選定しますので、それに合った記事の作成をお願いいたします。
作業いただく際に、以下のものをお渡しいたします。
・テーマおよび記事構成、見出し
・文章作成マニュアル
キーワード、テーマおよび各記事の構成は事前に設定いたしますので、
それに沿って文章作成をお願いいたします。
【応募要項】
お手数ですが、ご応募の際に以下質問へのご回答をお願いいたします。
・年代(30代前半、など)
・今までのライティング実績
・1週間あたり何時間作業可能か
・その他質問があれば任意で記載
・○○以外で得意なライティングのジャンル(旅行、ファッションなど)
→今後相談させていただくかもしれません。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください!
作業依頼時の文章
記事の構成や詳しい記載方法は、募集時ではなく、依頼時に記載します。
なお、記事構成については、今までに書いた記事がサンプルとして使えるのであれば、それを渡した方が、ライターさんが文章を書きやすくなります。
以下はテンプレートです。これ以外に、詳しい執筆マニュアルがあれば、それもライターさんに渡します。
【記事テーマ】
XXXX
【記事構成】
以下の構成で、○字以上の記事作成をお願いいたします。
(以下の構成以外にも、「これは推したい」というのがあればぜひ記載してください)
・書き出し部分
・見出し1
・見出し2
・見出し3
・まとめ
【サンプル記事】
今までに作成した記事のURL
【注意点】
・各構成の文章は、他のWebサイトにある文言をそのまま引用せず、なるべくみなさまの言葉で記載してください。
・○字が思いつかない場合は、一旦書けたところまでお送りください。
内容を確認し、「○○について追記してほしい」などの方向性を提示させていただきます。
・文章を引用した場合は、引用箇所を明示してください。
・文章はですます調で記載してください。
【納品形式】
・Wordもしくはtxtファイル
【期限】
XXXX
ご不明点がございましたらご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。
応募要項(足切り)を募集文に記載する
募集文には、以下のように質問をします。
【応募要項】
お手数ですが、ご応募の際に以下質問へのご回答をお願いいたします。
・年代(30代前半、など)
・今までのライティング実績
・1週間あたり何時間作業可能か
・その他質問があれば任意で記載
・○○以外で得意なライティングのジャンル(旅行、ファッションなど)
→今後相談させていただくかもしれません。
質問をする目的は2つあります。1つ目は、ライターさんの人となりを知ることです。2つ目は、「ライターさんの足切り」に使用します。
残念ですが、ライターさんの中には、文章をよく読まずに応募する人もいます。その場合は、こちらが記載した質問に回答していません。
文章をよく読まない、ということは、依頼側の細かいマニュアルや指示内容もよく読まない、ということが考えられます。指示が正確に伝わらないと、不要なやりとりが発生してしまうことがあります。
そのため、ライティング以前の基本的なスキルとして、「文章をちゃんと読んでいるか」ということを確認するため、募集要項に質問文を記載しておき、回答がないライターさんを足切りする、という方法が役に立ちます。
口コミや感想を集めるときは、「タスク形式」も利用
ランサーズやクラウドワークスでブログ記事外注を行う際には、「プロジェクト形式」のほかに、「タスク形式」もあります。
基本的には、ライターさんとやり取りしながら進める「プロジェクト形式」を使用します(今までの募集文や依頼文は、すべてプロジェクト形式を利用したものです)が、たまに「タスク形式」が役に立ちます。
タスク形式は、依頼に対して行われた作業を、「承認する/非承認する」だけを行う簡単なもので、文字単価もプロジェクト形式と比べ安い傾向にありますが、その分ライターさんも手軽に作業ができます。
「○○に対する感想を書いてください」という依頼をタスク形式で出すことによって、手軽に口コミを集めることができます。
まとめ
ブログ記事外注は、ゲームの課金と同じように、一度軌道に乗ると圧倒的速度でブログ記事を増やすことができます。
ですが、外注はライターさんあってのものです。ライターさんに敬意を払って(≒しっかりお金を払う)、うまく外注していきたいですね。