IT業界のエンジニアやコンサルタントで、転職を考えている方、もしくは現在正社員として働いている方も、一度は「フリーになる」ということを考えたことはあるのではないでしょうか?実際にフリーコンサルタントになって1年が経った僕が感じた、メリットとデメリットを紹介したいと思います。
現在フリーエンジニアに興味がある方は、ぜひとも参考にしてみてください。
Contents
フリーランスエンジニア/コンサルタントのメリット
フリーになることの一番大きなメリットは、「収入が増える」ということです。同じ仕事内容でも、自分の収入は会社員のときよりも圧倒的に増えます。
フリーになることには、以下のようなメリットがあるので、順に紹介したいと思います。
- 収入が倍増、3倍増
- エージェント経由だと手間ではない(ただしエージェントを使わないといけないというデメリットもある)
- 会社に縛られない
- 自分のやりたい仕事ができる
- 自由な働き方が可能
収入が増える(倍増~3倍増)
例えば、30代でそれなりに実力がついたサラリーマンエンジニアの場合、月収は40万円(賞与2か月分×2を含め、年収560万円)くらいではないでしょうか?
ですが、ご存知の通り、「それなりに実力があるエンジニア」へは、クライアントからは大体100万~150万円くらいは払われています。40万円がみなさんの取り分で、60万円が会社の取り分です(ここから人件費や福利厚生費や社会保険料に使われます)
フリーのエンジニアなら、100万円すべてがみなさんの取り分です。
会社員はたとえ仕事がなくても給料がもらえる安定性が魅力ですが、もしフリーでずっと「月100万円の仕事」が得られれば、年収が一気に増えて、自由な生活ができるようになりますね!
実際、僕もフリーになって収入が増えました。どのような生活を送れているかはこちらから。参考までに。年収が800万円になって生活レベルがどう変化したか
今の世の中、IT系の案件は履いて捨てるほどあります。今まで経験を身に着けてきた方であれば、「仕事がなくて困る」ということは、よっぽどのことが無い限りは起こらないと思います。
エージェント経由だと仕事を探す手間がかからない
フリーエンジニア/コンサルタントの中には、自分のツテを利用し仕事をすべて自分で取ってくる人もいます。ですが、それができなくても問題ありません。転職エージェントと同じように、フリーの仕事を斡旋しているエージェントがあります。
※フリーの仕事と正社員の仕事をどちらも斡旋している会社も多いです。
例えば、IT系の転職に強い「レバテック」という会社は、「レバテック フリーランス」というフリーエンジニアの仲介業もやっています。もともとIT系に特化しているため、幅広い案件が見込めます。
エージェントに登録し、希望の案件や業界、単価、勤務地などを伝えるだけで、エージェントが仕事を紹介してくれます。エンジニア/コンサルタント自身が仕事を探す必要はありません。
また、プロジェクトの終了が決まり、次のプロジェクトに参画する際も、自分で営業をかける必要はありません。エージェントがすべて探してくれます。
ちなみに、月単価は、エージェントの仲介料を引いた、自分自身の利益で紹介されます。なので、例えば紹介メールに「月単価80万円」と書いてあれば、そのまま「月に80万円もらえる」と思って問題ありません(会社によるかもしれませんが…たぶんどの会社もこのような記載ではないでしょうか?)
なお、エージェントを利用する、ということは、もう1つメリットがあります。逆に、こちらは「エージェントを利用しないことのデメリット」とも言えます。
それは、「エージェントの会社名を利用して案件に参画できる」というものです。
クライアントによっては、「個人事業主はNG」という会社も多いです。これは、フリーエンジニアがNGというわけではなく、「フリーエンジニア(個人事業主)とは直接取引をしない」ということを意味しています。
エージェント経由であれば、そのエージェント会社の名前が使えるので、問題なく取引が可能になります。そのため、幅広く案件を探すという意味でも、エージェントは利用しましょう。
自分のやりたい仕事ができる
会社員であれば、会社の利益のために働く都合上、どうしても自分のやりたくないことまでやる必要があります。フリーエンジニアであれば、自分がやりたいと思った仕事だけ行えばOKです。単価が高い仕事、自分の将来のスキルアップにつながりそうな仕事など、仕事さえ取れれば選びたい放題です。
自由な働き方が可能
会社員であれば、毎日8時間以上、週5日は最低限働く必要があります。ですが、フリーエンジニアの案件の中には、週3回の仕事など、稼働率100%(週5日、1日8時間)でない案件もあります。
稼働率100%で100万円の仕事内容だとすると、週3日で60万円です。残った時間は、個人事業の時間や趣味の時間など、自分の好きな時間に充てられます。
メリットたくさんのフリーエンジニアですが、「フリーになる覚悟」はありますか?こちらも、自営業になるためには必要なことです。
フリーランスエンジニア/コンサルタントのデメリット
フリーエンジニアは稼げる!ということが分かり、自分の実力もついてきた。心機一転、フリーになるぞ!となる前に、デメリットについても知っておかなければなりません。一番の大きなデメリットは、「会社という後ろ盾がなくなり、自分自身で何とかしなければならない」ということです。
また、以下についてもデメリットとして挙げられます。「福利厚生や退職金がない」「仕事がなくなる可能性を考慮しなければならない」について、詳しく説明したいと思います。
- 国民年金、健康保険が高い
- 雇用保険がない
- 福利厚生や退職金がない
- 仕事がなくなる可能性を考慮しなければならない
- 金融系の審査(ローンやクレジットカード)に影響がある
社会保険や福利厚生、退職金がない
例えば、正社員であれば年に一回会社で受けられる健康診断がありません。自営業の場合は、自費で健康診断を受ける必要があります。自営業は、働けなくなる=収入がなくなる ですが、ずっと働けるようにするために健康は自分で管理する必要があります。
また、当然退職金もありません。老後の資金は、自分で貯めておく必要があります。以下の制度は、生命保険の年金型保険と同様、積立金に上乗せして払戻金を受け取ることができるものです。
また、生命保険の所得控除と異なり、以下の制度は「掛け金の全額が所得控除」される、とてもうれしいものです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
国民年金や会社員の厚生年金のほかに、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」に加入することをおすすめします。会社員でも加入している方が多く、有名なものではありますが、個人で年金を積み立てておいて、「60~70歳までの間に積立金を一括で、もしくは年金代わりに」受け取ることができる制度です。
メリットは、掛け金が全額所得控除されるということです。遠い将来のことではありますが、受け取り時に税制優遇もあります。
デメリットは、60歳まで解約できない、ということです。
退職金を自分で積み立てておく「小規模企業共済」
自営業や小規模企業の経営者向けに小規模企業共済というものがあり、月に最大7万円まで、自分で退職金を積み立てておくことができます。iDeCoと同様、全額所得控除されるというメリットがありますが、さらに「途中解約できる」「月の掛け金の上限が大きい」というメリットがあります。フリーエンジニアになった際にはぜひともおすすめしたい制度です。
※20年以内に自営業廃業以外で解約してしまうと元本割れになってしまいます。
参考:http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/index.html
仕事がなくなる可能性を考慮しなければならない
会社に所属しないので、仕事がなければ収入はありません。また、若いうちは年齢だけでなんとかなることも多いですが、年齢を重ねるごとに比例して経験も求められます。仕事をし続けるために、日々勉強し続けることが必要です。
まとめ
安定性は下がりますが、仕事をし続けることができれば、会社員のときよりも多くの収入を得ることができます。仕事がなくなると収入がなくなるというリスクはありますが、逆に「自己研鑽し続ける」というモチベーションが生まれます。自分に自信があるなら、より高みを目指したいという目標があれば、フリーに転身するのもいかがでしょうか?