「上司からMECEになっていないと言われた…」
「MECEって聞いたことあるけど、なんだっけ…?」
コンサルタント入門としてもはやおなじみのフレームワークであるMECE(ミーシー、たまにミッシーとも言う)ですが、もちろん、使えるのはコンサルタントだけではありません。
マーケティング担当の人が市場分析の際に使用したり、今流行りの「働き方改革」を行う際に、社内の問題点の洗い出しのために使用したりもしますが、自分自身の目標設定に使用することもできます。MECEの使い方をマスターすると、仕事をする上でいろんな場所で役に立ちます。
※MECEについては、解説している書籍やWebページがたくさんありますが、ここでは、とりあえず「ざっくり」理解できるように、できるだけ簡単なところだけ紹介します。
Contents
MECEとは、何かの事象に対して網羅的に考えること
そもそもMECEが何か知らない方もいると思うので、簡単に概要を説明します。
“Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”の略です。「漏れがなくダブりがない」という意味です。なお、日本語1語で適切な訳語が思いつかないのですが、「網羅」が一番近いかと思います。
MECEとは、主にコンサルタントや企画、マーケティング担当の人が、市場などの分析に使用するフレームワークです。市場がどのような形であるのかをMECEに基づいて正確に図示する、というときなどに使います。
図でイメージを持たせると、このような形です。
MECEの簡単な例題
では、ここでMECEの簡単な例を紹介したいと思います。以下のものはMECEかどうか、考えてみてください。
●性別
- 男
- 女
→これはMECEです。
(すみませんが、トランスジェンダーやトランスセクシャルは考慮しないものとします…あくまで身体上、ということで)
●年齢層
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代
→これはMECEではありません。10代以下と70代以上が抜けています。
●東京から大阪までの移動手段
- 新幹線
- 飛行機
- 自家用車
- バス
- LCC
→これはMECEではありません。(青春18きっぷなどを利用した)普通電車のみ、などが抜けているうえに、飛行機とLCCがダブっています。
ちなみに、ここだけの話、簡単にMECEにする裏技があります。
「その他」や「それ以上/それ以下」をつけておけば、ほとんどの場合MECEになります。
(20代以下/30代/40代/50代/60代/70代以上)
(新幹線/飛行機/自家用車/バス/その他)
事象を細分化する際もMECEにする
移動手段の例では、新幹線→のぞみ、ひかり、こだま など、さらに細かく分けることができます。
このとき、細かく分けたものもMECEとなっていることが重要です。
例・以下のように右側の列もMECEになっていればよい
※飛行機に「JAL/ANA」でも「LCC」でもない、いわゆる「ミドルコストキャリア」が抜けていました…表には載っているものとして考えてください。
東京から大阪まで新幹線で移動する方法を「のぞみ」「ひかり」「こだま」とMECEになるように分けました。このように、細分化したもの同士でMECEになっている必要があります。
細分化したものは、すべての上位概念を満たしている必要がある
MECEになるように物事を細分化する際にが、さらに重要なことがもう1つあります。
それは、細かく分けたものは、分ける前のすべてのカテゴリーを満たす必要がある、ということです。
簡単にいうと、上の表の右側の部分(細分化したあと)は、それよりも左側の部分(細分化する前)すべてを満たす必要があります。
先ほどの「東京から大阪までの移動手段としての新幹線」を例にしてみましょう。
- 「のぞみ」「ひかり」は”新幹線“であり、”東京から大阪までの移動手段“であるからOKです。
- 「18きっぷ」は”新幹線“ではないからNGです。
- 「かがやき」は”新幹線“ですが、“東京から大阪までの移動手段”ではないからNGです。
まとめ
MECEという言葉を知らなくても、何かを考える際には必然的に網羅的に考える必要があり、取り入れている人も多いと思います。MECEという言葉や概念を理解していれば、さらに役に立つことと思います。
MECEは、目標設定をするときにも使えるフレームワークです。
目標を立てる際には、「大きな目標」→「細かい目標」→「それぞれの具体的な行動」の順番に設定します。その際、細かい目標は、大きな目標をすべて網羅しておく必要があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。